2013年4月21日日曜日

森トラストがJR山手線内に、季節限定の貸し農園「森虎農園(モリトラファーム)」を開設予定

森トラスト」社が2013年3月26日に、

・東京のJR山手線内に、季節限定の貸し農園「森虎農園モリトラファーム)」を開設する。

との予定を発表していました。

同社の発表資料[1]やニュース記事[2]、農園のサイト[3]によると、施設の概要は下記の通り。

コンセプト
都市生活者が、農業や野菜づくり通じて自然に触れ、手軽に楽しく学ぶ機会を提供する。

主な特徴
サポート体制
初心者も気軽に野菜づくりを楽しめるよう、サポートする。
・菜園スタッフによるアドバイス
・「水やり」のサポート
・種苗の頒布(春と秋に実施、育成・収穫しやすいものを選抜する)
・基本的な菜園用具の常備、無料貸し出し
・収穫祭の実施
イベントを開催予定
野菜や農業への関心を高めるため、下記のようなイベントを開催していく。
・「Agri Academy」:
・「子ども食育アカデミー」
・「知的農業セッション」
等、子どもから大人まで、会員以外も参加できる企画を随時開催する。
・「Agri Mart」:
旬の新鮮野菜や関連グッズを販売する。
オプションサービスを用意
    会費以外の別料金6万円で、開設期間(9ヶ月)内に下記サービスが受けられる。
    ・カルテ管理
・土寄せ
・畝立て直し
・支柱・誘引
・芽かき・摘芯
・間引き
・施肥
・告知サービス

場所
港区の「MORI TRUST GARDEN TORA4」(4月24日オープン予定)の中。
(この場所は、2009年に営業終了したホテル「虎ノ門パストラル」の跡地)
運営者:「東邦レオ」社のまちなか菜園事務局
総面積:約900m2(通路含む)
山の手線内では最大規模とのこと。
利用者:会員制(個人、法人)
区画:全144区画(露地型)
個人区画
3m2
・区画数:88
・会費:9万6,000
5m2
・区画数:42
・会費:16万
法人区画
7m2
・区画数:14
・会費:35万
栽培できる野菜100種類以上
付帯施設
手・足洗い場、物置、トイレ、男女別ロッカールーム、有料駐車場
貸出期間2013年4月24日~2014年1月23日9ヶ月間)
スケジュール
・会員募集開始:2013年4月1日
・オープン:同年4月24日


個人会員で1ヶ月あたり約1万~2万円弱と、料金は高めではありますが、その分サポートが手厚いのは魅力です。

また山の手線内というロケーションと合わせて、野菜作りに興味があるもののこれまで取り組んだことが無い人にとっては、良い機会となるのでは、と考えます。

都市内での意欲的な取り組みだけに、期間限定というのがちょっと残念ですが、今年の反響によっては来年以降の継続オープンがあるのか、注目したいところです。


※参照・参考サイト:
・[1]4月24日、山手線内最大級の貸し菜園『森虎農園(モリトラファーム)』誕生(森トラスト)
http://www.mori-trust.co.jp/pressrelease/2013/20130326.pdf
・[2]森トラスト 9カ月限定貸し農園開設(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130327/bsd1303270801008-n1.htm
・[3]森虎農園
http://www.machinaka-saien.jp/farm/moritora/
・[4]MORI TRUST GARDEN TORA4
http://www.mt-garden.com/

2013年4月14日日曜日

農水省が「『農』のある暮らしづくり交付金」の公募を開始、市民農園などでは新設・改修等の費用の1/2以内を助成

農林水産省2013年3月に、「『農』のある暮らしづくり交付金」の公募を開始していました。

同省のサイト[1]によると、まず制度の概要は下記の通り。

・目的:
都市
都市の近接地域
において、住民が「農」に触れて楽しめる環境の整備を進める。

・内容:下記の3項目。
・「『農』のある暮らしづくり推進対策」:
支援の対象
・住民が「農」と触れあう機会を増やすための、多様な活動
・上記活動に付随する、簡易な施設の整備
補助率定額(1地区あたり上限400万円
事業の実施主体:民間団体、NPO、市町村など。
・「『農』のある暮らしづくり整備対策」:
支援の対象
・市民が多様な目的で「農」と関わるための施設
(市民農園、屋上・河川敷菜園、障害者雇用農園など)
・地元農産物の生産・加工・流通を促進するための施設
・「農」の持つ公益的機能を維持増進するための施設
などの整備費用。
補助率1/2以内
事業の実施主体
農園開設予定者、NPO、特例子会社、社会福祉法人、農業法人、市町村など。
・「『農』のある暮らしづくり支援対策」:
支援の対象
・専門家の派遣
・都市農業関係情報の整備
・効果的な情報提供手法の開発
などの活動。
補助率定額(1件あたりの上限1,000万円)
事業の実施主体:民間団体、NPOなど。
(※ただしこれらは、平成25年度予算案の成立が前提であり、今後の変更などは有り得る。)

・公募期間:2013年3月25日~5月8日

そして「整備対策」の中の「『農』と関わるための施設」では、新設または補修・改修を支援する対象として、具体的に下記の農園・施設が挙げられています。

・多様な農園:
市民農園、農業体験農園
・農園の区画造成、園路園整備、温室・ハウス整備など
・附帯施設(休憩所、簡易宿泊施設、トイレ、農機具収納庫、給排水施設、ごみ置場、駐車場、照明施設など)
都市空閑地活用菜園
・ビルやマンションの屋上
・河川敷
などを活用した菜園と附帯施設。
福祉・介護農園
・障害者の就労・雇用を目的とする農園
・高齢者の生きがい農園
・リハビリ農園
等の農園と附帯施設。
学童農園
・学校の敷地内外で設置する学童農園と附帯施設。

上記施設にともない整備する加工体験施設
・農園利用者
・地域住民
の交流の場になる施設。
(市民農園で収穫した農作物などの調理・加工体験施設など。)


当ブログでこれまでチェックしてきた限りでは、自治体による市民農園への補助制度はあったものの、政府による取り組みは無かったので、今回の支援策にはちょっと驚きましたが、それだけ全国的に貸し農園に対する需要が高まってきている、ということでしょうか。

支援対象には、殆ど全ての貸し農園のタイプが挙げられていると思いますが、それだけに予算枠がどれだけ充てられているのか(全国で何件ぐらいの支援が可能なのか)が気になるところです。

ともあれ全国規模の支援策であり、国民が自分のペースで野菜作りに携わることができる環境の整備が、大きく進むことを期待したいです。


※参照・参考資料:
・[1]「農」のある暮らしづくり交付金(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/nousin/nougyou/nouaru_kurashi/

2012年7月29日日曜日

営業停止していた北海道札幌市の「コバワールドスキー場」が、市民農園「コバヴィレッジ」としてオープン

4年前に営業停止していた北海道札幌市南区の「コバワールドスキー場」が2012年6月に、市民農園コバヴィレッジ」として運営を開始しています。

(ニュース記事)
・札幌の自然農園「コバヴィレッジ」にドッグラン-犬同伴可能なキャンプ場併設(札幌経済新聞)
 http://sapporo.keizai.biz/headline/1377/

(コバヴィレッジのサイト)
・KobaVillage
 http://kobavillage.jp/index.html

上記URL先ページによると、農園の概要は

・主な特徴:
 「レジャーパーク型自然農園」をコンセプトに据えており、市民農園の他にも
 ・レストランベーカリー(施設内で収穫した農産物やハーブ等を使用)
 ・クラブハウス(バーベキュー等が可能)
 ・ドッグラン(約2,700坪、札幌市内最大)
 等の施設・設備を備えている。
・敷地面積:16万
・市民農園:
 ・区画のサイズ:105m(約15坪)
 ・利用期間:5月末~10月末の予定
 ・料金:1区画あたり2万円/シーズン
  ※第1期のみ限定1万円/シーズン。
 ・特典:
  ・飲食料金10%オフ。
  ・プロによる農業指導・アドバイスを受けられる。
  ・次年度の先行予約が可能。
  ・駐車場利用が無料。
  ・収穫祭(秋に予定)への出店、レンタルキッチンの利用が可能。
・開業日:2012年6月1日
 市民農園は5月21日にオープン。

等となっています。


私は「コバワールドスキー場」を利用したことは無いものの、仕事で何回も入り口前の道路を通ったことがあり(営業停止になっていたことも知っていた)、テレビのニュースで市民農園として生まれ変わったことを知ったときは、山の中で自然に囲まれたロケーションを、近年関心・人気が高まっている分野に有効活用するという意味で、非常に魅力的な取り組みをされていると感じました。

冬に降雪・積雪があることから利用期間が短く、また現状では近くに公共交通機関(バス停など)が無い(来場には自動車が必要)といった不便さはあるものの、スキー場だった山深い場所で野菜つくりに取り組め、またレストラン・クラブハウス等も備えているということで、札幌市内のレジャー的な施設としてもかなり魅力が高いのでは、と考えます。

2012年7月1日日曜日

群馬県高崎市の「相間川温泉クラインガルテン」は動物の食害により利用率が16%まで低下、ただし防止策により回復傾向

下記URL先ページでは、群馬県高崎市の「相間川温泉クラインガルテン」で、利用者の急減が起こったことが紹介されています。

(ニュース記事)
・相間川温泉クラインガルテン:利用率低迷 活性化へ構想 動物侵入対策、野菜即売会も /群馬(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/area/gunma/news/20120629ddlk10020222000c.html

上記URL先ページによると、まず農園の概要は

・指定管理者:「相間川温泉」社
・オープン時期:1991年(日本では初のクラインガルテンとのこと)
・広さ:約1万m2
・区画:
 ・数:225区画
 ・1区画の広さ:約40m2
 ・年間利用料:8,400
・その他の施設:
 長期滞在の利用客向けに
 ・温泉付き宿泊施設
 ・ログハウス
 を設置している。

等というもの。

しかし約5年前から、動物(イノシシ、サル等)による食害が増加したことから、利用率(ピーク時は8~9割)が16%まで急落。

このため「相間川温泉」社では、2011年4月防止策(農園を取り囲む柵などの設置)を講じ、現在は以前の利用者を中心に、契約が増加傾向にあるとのことです。


利用率が10%台まで落ちたという点に、食害のひどさが伺えますが、防止策を講じたことで利用者が戻りつつあるとのことで、環境(ロケーションや設備など)自体は高い魅力を備えているものと想像されます。

私の家の近隣の家庭菜園でも、動物による食害が起こっていることを耳にしています(私の家は幸い、まだ被害にあっていない)が、自然が豊かな環境は魅力的である反面、動物も生きており美味しい野菜に惹かれてくる可能性があることは、まず心構えとして認識しておくことが必要だと感じます。


※参考サイト・ページ
・[1]クラインガルテンのご案内(くらぶち相間川温泉)
 http://www12.ocn.ne.jp/~aimagawa/mt.html

2012年6月3日日曜日

東邦レオが初心者向けに、利用料金1.5万円~で約3ヶ月間使い放題の「サポート付き菜園体験パッケージ」を発売

東邦レオ」社が、都市に住む家庭菜園の初心者向けとして、約3ヶ月間の使い放題で利用料金が1.5万円~という「短期・コスト固定型」のサポート付き菜園体験パッケージを発売したとのこと。

(ニュース記事)
・約3ヶ月間使い放題で1.5万円から/都市居住の野菜づくり初心者を対象にした『駅近』で楽しめる短期・コスト固定型のサポート付き菜園体験パッケージ開始(VFリリース)
 http://release.vfactory.jp/release/48273.html

(「まちなか菜園」のサイト内ページ)
・菜園体験パッケージのお申し込み
 https://www.machinaka-saien.jp/apply-pack/

上記URL先ページによると、パッケージの概要は

・背景:
 東邦レオでは2010年2月に、都市部で駅に近い遊休資産(未利用地・建物屋上など)を利用する貸し菜園事業を開始。
 これまでに首都圏・中部・関西で12施設(400区画以上)を運営している。
 従来の利用契約は年間契約(月額制)となっているが、見学会や収穫イベント参加者にヒアリングを行ったところ、初心者からは
 ・長期契約不安があり、まずは家族で短期的に楽しんでみたい。
 との声が多かった。
 今回はこの要望を受けて、野菜づくりの初心者に特化したパッケージを開発した。

・主な特徴:
 ・野菜つくりの初心者向けのプラン:
  ・菜園スタッフのアドバイスが受けられる。
  ・平日に訪問できない人向けに、「水やり」のサポートも用意されている。
 ・手軽な利用体制:
  ・約3ヶ月間使い放題で、一式価格は1.5万円~。
  ・基本的な用具(鍬、じょうろ、肥料、支柱など)は施設に常設しており、無料で利用可能。
   利用者は、手ぶらで訪問しても作業が行える。
 ・子供・孫とも一緒に楽しめるプログラム:
  ・植付けレクチャー
  ・収穫祭
  等のイベントを用意。
  夏休みの自由研究にも利用できる。

・今回のパッケージの概要:
 ・該当の菜園:下記の首都圏・中部7ヶ所。
  ・「ソラドファーム高崎モントレー」(屋上菜園):
   ・場所:群馬県高崎市
   ・区画の広さ:8m2
   ・価格:1.5万
  ・「ソラドファーム戸田」(露地菜園):
   ・場所:埼玉県戸田市
   ・区画の広さ・価格:
    ・8m21.5万
    ・12m22万
  ・「ひだまりファーム多摩平」(露地菜園):
   ・場所:東京都日野市
   ・区画の広さ:8m2
   ・価格:1.5万
  ・「なるふぁーむ」(屋上菜園):
   ・場所:愛知県名古屋市
   ・区画の広さ:5.5m2
   ・価格:1.5万
  ・「ニッケファーム市川」(露地菜園):
   ・場所:千葉県市川市
   ・区画の広さ:12m2
   ・価格:2万
  ・「東急宮前平ショッピングパーク」(屋上菜園):
   ・場所:神奈川県川崎市
   ・区画の広さ:5.4m2
   ・価格:2万
  ・「CITTA FARM」(屋上菜園):
   ・場所:神奈川県川崎市
   ・区画の広さ:5m2
   ・価格:2万
 ・契約期間:2012年6月1日~8月31日
  ※9月以降の菜園利用を希望する場合は、
   ・秋冬野菜の短期型菜園体験パッケージ
   ・月額制の年間契約パッケージ
   の優先利用が可能。
 ・募集開始日:同年5月25日

等となっています。


2年前には「フマキラー」社による調査結果として、家庭菜園を開始後1年以内で中断する人は4割に達するとの状況が報じられていましたが、近年は家庭菜園がブームになっているとはいえ、やはり現実問題として初心者の場合、野菜作りを継続するためのハードルは低くない、ということでしょうか。

その点で今回の新しいパッケージは、消費者のニーズを汲み取って開発されたものとのことで、貸し農園の新たなかたちとなりうるのか、注目・期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]「東邦レオ」社の、屋上緑化・壁面緑化などでの事業を解説している記事(「屋上緑化に関するニュース・話題」、2009/12/16)
 http://rooftop-gardening.sublimeblog.net/article/2933886.html


※当ブログの関連記事:
「東邦レオ」が、都市部の未利用地や建物屋上の空きスペースを活用する、貸し菜園事業を開始(2010年2月14日)
JR川崎駅近くの商業施設「ラ チッタデッラ」の屋上に、2010年9月に貸し農園がオープン予定(2010年7月11日)
「東邦レオ」が「都市型貸し菜園事業」の第1号「ソラドファーム戸田」を開設(2010年3月14日)
東邦レオが、名古屋市内でオープン予定の商業施設「なるぱーく」の屋上に、50区画の「まちなか菜園・なるふぁーむ」を開設予定(2011年2月6日)