2009年7月26日日曜日

兵庫県・神戸市のビル「白川コーポレーション」屋上で運営されている、貸し農園が好評

兵庫県・神戸市内の「落合グリーンタウン」にある3階建てビル「白川コーポレーション」の屋上に、貸し農園が設置されているとのこと。

神戸新聞|神戸|屋上全体を農園で緑化 須磨のテナントビル

上記リンク先記事によると、この屋上農園は、ビル管理会社の社長の方が2006年秋に発案して、屋上に敷いた防水タイルの上に、クレーンで土を運び、3区画の農園を造成。

ビル管理会社の従業員の方々が、業務の合間に野菜の世話を行なっているそうです。

その後、作付け面積を少しずつ増やしていき、現在は屋上全面(約3,000m2)が農園に。

また近隣の住民には、貸し農園2m2あたり、1ヶ月1,500円)として開放。

道具の貸し出しも行い、

・街の中で、普段着・手ぶらで農業ができる

と、好評を博しているそうです。

更に2009年5月からは、テナントの関西スーパー前で週3回、1100円均一で野菜の販売をスタート。

また、地域の子どもを対象としたイモ掘りも企画しており、今後は、

・屋上に降る雨水を、農園の用水として活用する
・近隣住民に家庭ゴミを持ち寄ってもらい、堆肥を作る

といった取り組みも検討中とのことです。

ちなみに、農園の手入れを行なっている従業員の方の1人は「EM農法」を研究しており、この農園では、農薬や化学肥料を全く使わずに野菜を育てているとのこと。

この方が育てたダイコンとサツマイモは、JA兵庫六甲須磨支店が開いた品評会で、200720082年連続で入賞しているそうです。

また、屋上農園の設置により、ビルの光熱費が約5%下がり、冷房費の節約にもなっているとのことです。


単純に屋上農園を設置するだけでなく、貸し農園の運営や野菜の販売など、地域とのつながり強化に取り組んでいる点が、非常に興味深いです。

愛知県知多農林水産事務所が、耕作放棄地解消のキャンペーンを開始

後継者難などによる、知多半島の耕作放棄地の増加傾向を防ぐため、愛知県知多農林水産事務所が、耕作放棄地解消のキャンペーンを開始したとのこと。

耕作放棄地:減らそう 解消へ地元県農水事務所がキャンペーン--知多半島 /愛知 - 毎日jp(毎日新聞)

上記リンク先記事によると、2008年度調査での愛知県内の耕作地面積は8万2,300haヘクタールですが、うち放棄地は4,242haに上っているとのこと。

また知多半島では、耕作地9,850haのうち、1,110haが放棄地(県内の放棄地の26%に相当)という状況。

国は2011年度までに、日本全国の放棄地(23.1万ha)のうち10万haの解消を目的として、再生利用緊急対策交付金356億円を予算化、補助事業(土壌改良や営農定着など)を推進するとのこと。

これを受けて愛知県は、2009年6月に、知多農水事務所に放棄地解消推進チームを設立し、7月10日に活動を開始。

同チームでは、

・土地所有者による耕作
・担い手や借り手による耕作
・企業などの新規参入
・市町による市民農園への利用

等の促進を目的に、市町に地域協議会の設置・交付金の活用を促し、2010年度までに耕作放棄地170haの解消を目指すとのことです。


個人的には、市民農園が開園することで、一般の方々が野菜つくりに取り組む機会が増えたらよいと思いますが、今後の動向が気になるところです。


※参考:
・知多農林水産事務所のトップページ
 http://www.pref.aichi.jp/nourin-chita/

徳島県・三好市のNPO法人「ふるさと力」が、滞在型市民農園「三好タウン 愉流里」を運営中

下記リンク先記事では、関西在住の徳島県出身者らが中心で設立された、徳島県・三好市のNPO法人「ふるさと力(ちから)」の、副理事長の方が紹介されています。

近藤貞治さん(NPO法人「ふるさと力」副理事長) - 徳島新聞社

この記事の中で、「ふるさと力」が三好市

・滞在型市民農園三好タウン 愉流里(ゆるり)」
・家庭菜園付きの分譲住宅

を整備していることが記述されています。


私自身も、かなり自然が豊かな場所に住んでいるつもりですが、「三好タウン愉流里」が紹介されているサイト[1]を見ると、その風景には圧倒される思いがします。


※参考:
・[1]クラインガルテン四国
 http://www.12hurusato.jp/k.html

神奈川県・川崎市で、農家の畑で、農法などの直接指導が受けられる「体験型農園」が人気

神奈川県・川崎市で、農家の畑で、農法などを直接指導してもらえる「体験型農園」が人気を集めているとのこと。

かながわ瓦版/就農希望者続々 : 神奈川新聞の連載 : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞

上記リンク先記事によると、川崎市農業振興課は2002年度に、体験型農園を開始。

これは、川崎市が都市型農業の経営安定のためにスタートさせた事業で、当初の実施農家は1ヶ所のみでしたが、現在は7ヶ所に拡大。

制度の詳細は、

・年間利用料:1家族当たり3万~3万5,000
・受付:毎年1月ごろから開始
 (2009年は、57の募集枠に対し、119件の応募があった。)

とのこと。

また記事では、体験型農園を始めて6年目となる「さむはら農園」(川崎市麻生区)の事例が紹介されています。

同農園では、体験型農園向けに約2,000m2の畑を持っており、約20種類の野菜(キャベツやトマト、サツマイモ、小松菜など)を栽培。

毎週日曜日には、市内33家族が訪れて、農作業を行なっているとのことです。

記事では、野菜つくりの魅力を知った参加者の方や、将来の就農を目指す方、また農法の指導をされている方の声も、豊富に 紹介されています。


現代は、日常生活や仕事の中で、言葉にしにくい不自然さを感じることが非常に多いと思うので、一般市民が農作業に取り組むことは、非常に重要な意味を持っているのかもしれません。


※参考:
・体験型農園のページ
 http://www.city.kawasaki.jp/28/28nogyo/home/taiken/top.htm
・さむはら農園のページ
 http://www.city.kawasaki.jp/28/28nogyo/home/taiken/samuhara/start.html
・さむはら農園  <川崎市麻生区で、毎週日曜日に農業を楽しむ体験型農業>
 http://samuhara.exblog.jp/

仙台市・坪沼地区で、地域おこしグループ「やるっちゃツボヌマ」が市民農園を運営中

下記リンク先記事では、福島県・仙台市南部にある農村「坪沼地区」で、4年前に結成された地域おこしグループ「やるっちゃツボヌマ」の取り組みが紹介されています。

河北新報ニュース 【連載】杜の都~明日へ提言(7)「やるっちゃツボヌマ」会長・山田義正さん(77)/地域おこし、二人三脚で

この記事の中で、「やるっちゃツボヌマ」が運営する市民農園について、

・農家が栽培を直接指導しており、現在は3期生を迎えている。
・タケノコ狩りや炭焼き、収穫祭といった、手作りの企画も実施している。
 これらのイベントには、大勢の家族が訪れている。
・農園では毎週のように、農作業を楽しんでいる夫婦の姿がみられる。
 最近は、移住を希望する相談もあるが、市街化調整区域の規制のため、新しい住居の確保等は容易ではない。
 現在は、土地利用緩和の要望を出している。

といった内容が記述されています。


自主的な地域活性化を目指す組織が、市民農園貸し農園を運営しているケースは、全国でかなり多いんでしょうか?


※参考:
・NOSAI宮城
 http://www.nosaimiyagi.or.jp/img_sinbun/miyagibann/20061102.html
・東北農政局/教育ファーム・農林漁業体験コーナー
 http://www.maff.go.jp/tohoku/syouan/syokuiku/4_farm/taiken.html

徳島県の「重清北校区連合自治会」が、貸し農園などを整備

徳島県・美馬市美馬町の重清北小学校校区内の、5自治会が構成する「重清北校区連合自治会」が、地区内に炭焼き小屋と貸し農園を整備したとのこと。

炭焼き体験、呼び掛け 美馬・重清北小校区の5自治会 - 徳島新聞社

上記リンク先記事によると、このうち貸し農園については、

・場所:
 重清北小学校から約1km離れた場所。
 標高約600mにあり、寒暖の差が大きいため、サツマイモやカボチャ等、様々な野菜や花を育てることができる。
・全体の広さ:約20a
・農地:26区画(25~65m2
・設備:
 ・水道設備
 ・農機具(耕運機など)
 ・倉庫
 ・休憩小屋
 ・水洗トイレ
 など。
・希望により、地元の農業者に、耕作方法などの指導を受けることもできる。

となっています。

ちなみに重清北小学校は、2009年度末での休校が決まっていることから、周辺の5自治会(128世帯)が2007年に、地域の活気を保つ目的で連合自治会を発足。

交流拡大や環境保全、地域の盛り上げ等のため、観光農業振興に努めているとのことです。


自治体や企業ではなく、地域の自治会が運営する貸し農園という点が、非常に興味深いです。

また、寒暖の差が大きいとのことなので、美味しい野菜が育ちそうに感じます。


※参考:
・美馬地区産直軒 from TOKUSHIMA-JAPAN
 http://www.web-mima.jp/

2009年7月12日日曜日

神奈川県・伊勢原市が、放牧して土壌が改善された耕作放棄地や遊休農地を、市民農園に開放する?

神奈川県・伊勢原市で、耕作放棄地や遊休農地に放牧し、雑草を食べさせることで、

・耕作地への復元
・景観保全

を狙いとする放牧事業が、今年で4年目を迎えているとのこと。

イノシシも減った?荒廃農地に和牛放牧/伊勢原 : ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞

上記リンク先記事によると、今年は、伊勢原市日向の元畑(約7,000m2)に、市内の畜産農家から借り受けた黒毛和2頭(11歳と6歳の雌)が、6月24日~10月の約4ヶ月間、放牧されるとのこと。

この放牧の取り組みによって、雑草が減り見通しが良い空間ができ、有害鳥獣の侵入防止につながることが判明。

また、雑草などが食べられることで付近が乾燥し、ヤマビルの生息抑制の効果もあるとみられているそうです。

更に伊勢原市では、放牧後には土地の土壌環境が改善されることから、2010年以降に市民農園として開放することも計画しているとのことです。


やはりの糞には、土壌を大きく改善する効果がある・・・ということでしょうか?


※参考
・伊勢原市公式ホームページ
 http://www.city.isehara.kanagawa.jp/

アイムホームの、専用の畑を備えた賃貸用一戸建て住宅が好評

住宅メーカーの「アイムホーム」が、賃貸用一戸建て住宅「ハッピーキューブ」に、専用の10~16m2)を設置し、好評を博しているとのこと。

業界ニュース : 畑付き一戸建て賃貸住宅に人気-アイムホーム(新建ハウジングWEB - 住宅ニュース)

上記リンク先記事によると、この商品は、家庭菜園や貸農園といった、野菜を育てられる場所が無い、という声に応えたもの。

具体的には、

・兵庫県宝塚市:4棟が竣工
・京都府城陽市:3棟が竣工
2009年8月末:大阪府茨木市に2棟が完成予定

となっていますが、募集開始から1週間で予約が満杯となったほど、人気が高かったそうです。


個人的な経験では、少しでもから野菜が取れれば、食事の美味しさが増す(勿論、野菜を育てる楽しみも有る)ので、を備えた賃貸住宅が人気となるのも、理解できる気がします。


※参考
・大阪・福岡注文住宅(注文建築)/戸建賃貸・木造建築・ローコスト住宅 ハウスメーカーのアイムホーム
 http://www.117imhome.com/

2009年7月11日土曜日

千葉県「アズビオ」が、貸し農園事業に進出

千葉県の企業「アズビオ」が、新たに貸し農園事業に進出するとのこと。

アズビオ、貸農園に進出-団塊対象に会員募集:日刊工業新聞

上記リンク先記事によると、アズビオは今回、茨城県潮来市で休耕地(1万2,000m2)を賃借して、「チャレンジファーム・築地(ついじ)農園」を整備。

その詳細は、

・区画数:81区画(1区画30m2
 契約は1区画単位。
・契約期間:契約日から1年間(更新可能)
・費用
 ・入会金:3,000
 ・利用料:年間2万5,200
・農業従事者やアズビオの社員が、苗植えなどの営農指導を実施。

となっています。

アズビオでは、

・「週末菜園」を楽しむサラリーマン
・野菜づくりに興味のある団塊世代

を、会員に想定。

また、農業資材・機材等の販売との、相乗効果を図る狙いもあるそうです。

更に今後は、農業法人化も視野に入れており、3年以内には収穫野菜のネット販売も開始して、農業関連事業の年間売上高1億円を目標としているとのことです。


企業が運営する貸し農園ですが、地域に溶け込んで、末永く運営されることを期待したいです。


※参考
・株式会社アズビオ|芝草管理の最新理論に基づいた商品の開発と技術をお届け-築地農園(ついじのうえん)
 http://www.azbio.jp/tuiji.html

岐阜県「ふる里農園美の関」の体験型農業交流施設の紹介記事

岐阜県の農業生産法人「ふる里農園美の関」が運営する体験型の農業交流施設が、開設から3年を迎え、地元以外の遠方(愛知県など)からも客が訪れるなど、売上が順調に伸びているとのこと。

中日新聞:体験型施設、家族連れに好評 農業生産法人「ふる里農園美の関」:岐阜(CHUNICHI Web)

上記リンク先記事によると、この施設の詳細は、

・敷地:6万坪(約20ha、ナゴヤドーム4つ分)
・施設:
 ・イチゴハウス
 ・トマトハウス
 ・ブルーベリー園
 ・市民農園
 ・直売場
 ・交流施設
 ・子ども向け遊具
 ・ビオトープ
 ・バーベキューハウス
 など

となっています。

また、収穫体験は、

・リンク先記事の掲載時点(2009/6/21):ブルーベリー(1時間800円で食べ放題)
2009/6/20~:トウモロコシとジャガイモ
9月:里芋とサツマイモ
10月:トマト
12月:イチゴ摘み
・その他、梅、柿、クリなど

と、1年中、何らかの作物の収穫が楽しめるそうです。


市民農園はどのような体制で運営されているのか、記事に記述が無いのが残念です。

でも、運営スタッフが楽しみ、充実して施設を運営している雰囲気は、よく感じられる気がします。


※参考
・ふる里農園 美の関
 http://minoseki.net/

2009年7月9日木曜日

大阪府が市民農園などで、遊休農地500haの活用に取り組む

大阪府2008年から行なってきた遊休農地実態調査の結果、府内の遊休農地の総面積が、1,004haであることが判明したとのこと。

遊休農地1004ヘクタール 大阪府:産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)

上記リンク先記事によると、今回の調査では、宅地となる農地等(約3,000ha)を除いた土地について、

・図面上の調査
・現地踏査

を行い、正確なデータを算出。

全体の結果としては、

遊休農地が全体農地の1/10を占めている点は、全国標準と同じ。
 しかし大阪府内では、山間部に小さな遊休農地が点在している点が特徴的。

・農家では高齢化が進み、後継者不足になっているため、遊休農地は拡大しているとみられる。

とのことです。

大阪府では、遊休農地の活用を進めるために、平成29年度までに遊休農地のうち約500haを、

市民農園の開園
・農家の規模拡大

等の用途に貸し出す方針だそうです。

また、集落単位での協議会結成・自主的なプラン策定により、

・小学生の農業体験学習
・農家の後継者育成

といった利用法の構想も寝られているとのこと。

記事では、大阪府農政室整備課の

・団塊の世代は、家庭菜園などを手がける人も多い
 そのため退職後に、農業に親しむことが期待できる。

とのコメントが紹介されています。


野菜を育てるのは手間がかかりますが、その分、育てている人が受けられるメリットには、他では得難いものがあると思うので、遊休農地市民農園への活用には期待したいです。

福山市の「市地産地消推進協議会」が、耕作放棄地の市民農園への活用を推進

広島県・福山市が、地産地消の推進を目的として、7月に「市地産地消推進協議会(仮称)」を発足するとのこと。

地産地消へ消費者らが協議会(中国新聞 地域ニュース)

上記リンク先記事によると、この協議会は、

・消費者団体
・ホテル・飲食・小売業の組合
・農協や生産者組織
・卸売市場
・商工会議所

等の約20団体と、福山市で構成。

食に関する施策・情報を一元化して、相乗効果の発揮が可能な組織を目指すとのことです。

2009年度には、

耕作放棄地を活用した市民農園の拡大
・学校給食への食材利用
・地元産品をアピールするための、シンボルマーク作成
・店頭での啓発活動

等に取り組む予定。

この中でも、市内の耕作放棄地解消に注力するとのことで、具体的には、

・地域ぐるみで、耕作放棄地の再生に取り組むモデル地区9ヶ所を指定。
 また除草や水路改修のための費用に対し、100万円を上限に補助を行なう。
 (2009年度予算に600万円を計上)

とのこと。


野菜など作物が十分に育つ土地は、そう簡単には作れないと思うので、耕作放棄地市民農園としての有効活用は、ぜひ推進してほしいものです。


※参考
・福山市ホームページ
 http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/

広島県・三原市が小坂町に、市内3番目の市民農園を開設

広島県・三原市2009年9月に、市内では3番目となる市民農園を、小坂町にオープンするとのこと。

設備万全 秋に市民農園開設(中国新聞 地域ニュース)

上記リンク先記事によると、この市民農園の詳細は、

・利用者の募集開始:2009年8月

・土地:事業地内の民有地(1,405m2)に、30区画(1区画35m2)を整備。

・隣接する市有地(670m2)には、
 ・駐車場(9台分)
 ・トイレ
 ・更衣室
 等も設置。

・年間使用料:1万2,000円(水道代など込み)

・契約:1年契約(※最長5年間まで延長利用が可能)

となっています。

ちなみにこの市民農園は、広島県による整備が行なわれている、農村振興総合整備事業用地の一部を活用して行なわれる事業。

整備費は2,300万円で、三原市が、土地所有者に賃借料を支払い管理を担当し、雑草などを刈り取って貸し出すとのことです。


新しい市民農園で、野菜等が豊かに実ることを、期待したいものです。


※参考
・三原市 海・山・空 夢ひらくまち
 http://www.city.mihara.hiroshima.jp/index.html

2009年7月7日火曜日

「滞在型市民農園」の現状・利用法に関する解説記事

下記リンク先記事では、「滞在型市民農園」の現在の状況等について解説されています。

滞在型市民農園「将来は農業…」先行体験 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

具体的には、

・兵庫県・多可町の「フロイデン八千代」の詳細は、
 ・1993年にオープンした、全国初の滞在型市民農園
 ・区画数:60区画
 ・1区画の広さ:約300m2
 ・費用:入会金35万円、また農園、コテージなどの年間利用料が27万6,000
 となっている。

滞在型市民農園は、「特定農地貸付法」(1989年制定)により、市町村やJAなどが市民農園を開設して、一般利用者に貸すことが可能になったことで、普及が始まった。
 その後の法改正で、NPO等による開設も可能となり、民間の農園も登場している。

・「都市農山漁村交流活性化機構」によると、滞在型市民農園は現在、
 ・関東、近畿地方を中心に、全国約60ヶ所・計約1,100区画が運営中。
 ・年間利用料:平均約40万
 ・利用者の年齢層:大半が50~60歳代
 ・募集倍率:平均約3倍(5年待ちのケースもある)
 という状況。

等の内容が記述されています。

また記事では、

(日本市民農園連合会長・廻谷義治氏)
滞在型市民農園を開設している市町村では、移住希望者に対して、空き農家や町営住宅を紹介している場合が多い。
・定住を考えている人は、このような支援制度を利用する有効だと思われる。

(都市農山漁村交流活性化機構広報情報センター部参事・畠山徹氏)
滞在型市民農園の利用においては、まず旅行やドライブの際に、暮らしてみたいと思える場所を見つけておくことが重要。
・ただし、自宅と農園の往復にかかる時間と費用は、考慮する必要が有る。
 具体的な方針として、
 ・仕事などの都合により、農園を利用できる日が限られている人:自宅から100km以内にある農園を探した方が良い。
 ・長期滞在が可能な「リタイア組」:田舎暮らしを満喫可能な、比較的遠い場所を選択肢に入れることも有効。
 が挙げられる。
・都市農山漁村交流活性化機構では、市民農園等の情報サイト「グリーン・ツーリズム」[1]を開設しており、情報収集に活用できる。

との内容のアドバイスも記載されています。


一般的な「貸し農園」は、私の住んでいる地域でも、近年よく見かけるようになっていましたが、「滞在型市民農園」(クラインガルテン)も増えつつあるというのは、(費用自体は、決して安くは無いと思うので)正直意外に感じました。

ただ、今回の記事に紹介されている、「フロイデン八千代」利用者の方の

・旅行することを考えたら、決して高くない
・自然の中で暮らしてみたいが、別荘を持つには経済的負担が重すぎる私たちには絶好の場所

というコメントから、需要は決して少なくは無いのだろう・・・と想像させられます。


※参考
・[1]GreenTourism - グリーン・ツーリズム
 http://www.ohrai.jp/gt/

農業ベンチャー企業「銀座農園」が、東京都内のビル屋上での貸し農園事業を開始

農業ベンチャー企業の「銀座農園」が、2009年6月下旬から、東京都内のビル屋上での貸し農園事業を開始したとのこと。

成長企業・VB/銀座農園 屋上菜園貸し出し事業化 建物の価値向上、需要に照準 - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE

上記リンク先記事によると、貸し農園事業の第1弾として、渋谷区内にある3階建てビルの屋上に、貸し農園16区画(1区画3m2)を開設し、周辺の住民等に、菜園用として貸し出すとのことです。

また、貸し農園全体のスペースは約100m2で、うち半分をデッキにし、高級感を演出しているそうです。

(このビルの周辺には高級マンションも多い)

貸し農園の賃料は、郊外の農園よりも高く設定するものの、週末に郊外の農園に行く手間・費用を考慮した場合に、割安となる水準に設定するとのこと。

また第2弾として、港区南青山のマンション屋上での、屋上菜園のオープンを計画しているとのことです。

これに加えて銀座農園は、東京・銀座に開設している水田脇のスペースを、農産物直売所(市町村や農業法人単位での、農産物PRが可能な場所)として市町村等に貸し出す事業も、同時に開始。

具体的には2008年秋から、全国各地の新米の販売フェアを開催。

また、新米や米粉スイーツのネット通販も開始する予定だそうです。

銀座農園では、ビル屋上での市民農園の設置にあたり、千葉県の協力によって、独自配合で比重が軽く高品質な土も開発。

同社は将来的に、マンション住民専用の屋上菜園の(マンション設計段階からの)設置について、マンションの付加価値向上策として、不動産業界への働きかけも検討しているとのことです。

ちなみに今回の記事では、秋葉原でNPO法人「リコリタ」が、ビル屋上に農園を開設してミニトマト等を育て、若者の農業への関心を促進する「秋葉原菜園計画」を開始している旨も紹介されています。


都会の中で田んぼや貸し農園を運営するというのは、私にとっては驚きですが、やはり何かしら息苦しさ・違和感の有る現代において、このような、野菜などを育てる取り組みに対する欲求が、非常に高まっているのかもしれない・・・と感じます。


※参考
・銀座農園株式会社
 http://www.iknowledge.jp/ginza_farm/

JTB関東と相模原市のボランティア団体が、地元旅館での宿泊がセットの市民農園「宿・借農園」の入園者を募集

JTB関東と神奈川県・相模原市藤野町の市民ボランティア団体「ふじの里山くらぶ」が共同で、地元旅館での宿泊がセットとなっている市民農園宿(やど)・借(かり)農園」の入園者募集を行なっているとのこと。

農作業の後は温泉で”ゆったり”…遊休地利用へ宿泊プラン/藤野 : ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞

上記リンク先記事によると、この「宿・借農園」の詳細は、

・料金:7万8,000円(税込み)
 ・1年間の農園使用料(1区画80m2
 ・種苗代・
 ・農機具の使用料
 ・地権者農家による、入園者に対する農業指導料
 ・市民農園近くの「藤野やまなみ温泉」の入浴券(15枚綴り)
 が込みの料金。
 ※更に、農園から車で30分以内の距離にある指定旅館(現在3軒)の宿泊料(18,000円、15泊分)を加えたモデルプランは、税込み19万8,000円。

市民農園
 相模原市藤野町名倉の、相模湖を見下ろせる高台に所在。
 広さ約1,520m2の畑を、19区画に分けている。

となっています。

今回の「宿・借農園」の企画においては、当該地域の魅力(芸術家(陶芸家など)が移り住んでいる、都心から近い)をアピールしつつ、最近の市民農園ブームに連動するビジネスを模索していたJTBと企画会社が、2008年11月に、相模原市に対して、遊休農地の受け入れ態勢を打診。

市では、地元の市民ボランティア「ふじの里山くらぶ」(古民家ツアー等の企画を手がける団体)とともに、市内の遊休農地を探した結果、公衆トイレや駐車場が近くにある、今回の場所を選定。

地権者である農家3軒に、農地の貸し出しを依頼したところ快諾。

雑草が伸びたままになっていた遊休農地を整備して、市民農園としたとのことです。

相模原市の担当者の方は、この企画について、

・「荒廃農地を有効利用でき、地元旅館の利用促進にもつながる」
・地権者である農家が、入園者に対して農業指導を実施する「市民農園整備促進法」の農園利用方式を活用することで、農家の収入にもつながる

との期待を語っているとのことです。

ちなみに今回の記事では、JTB関東の方の、

・ドイツ語で「クラインガルテン」(小庭園)と呼ばれるコテージ付き農園は、現在日本全国に65ヶ所あり、キャンセル待ち状態となっている。

との内容のコメントが紹介されています。


温泉旅館宿泊と、貸し農園の利用をセットにした商品という点が、非常に興味深い事例です。


※参考
・「宿・借農園」(やどかりのうえん)宿泊プラン
 http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=1144
・全国お国自慢 ほのぼの体験
 http://www.honobono-taiken.net/yadokari%20boshu%20annai.html
・藤野観光協会ホームページ - 森と湖 芸術のまち -
 http://info-fujino.com/
・新市民農園方式 『宿・借農園』入園主募集のご案内
 http://info-fujino.com/pdf/yadokariplan.pdf
・ふじの里山くらぶ
 http://www.shokonet.or.jp/fujino-sato/

2009年7月6日月曜日

和歌山県・白浜町が、貸し農園の普及・促進による「生きがいづくり」を検討?

和歌山県・白浜町が、

・運動
・温泉療法
・栄養教室
・生きがいづくり

等の組み合わせによる、健康づくりの支援事業を、2009年秋に開始する予定とのこと。

白浜町が健康づくり事業 まずはウオーキング - AGARA紀伊民報

上記リンク先記事によると、この取り組みではまず、ウォーキング事業を行なうとのこと。

具体的には、40歳以上の町民から500人のモニターを募集。

そして、モニターに歩数計を貸与し、歩行状況を報告してもらうとのことです。

また、この支援事業は2010年度以降も継続して実施していく方針で、

・ウォーキングと、温泉療法や栄養教室との組み合わせ

貸し農園の普及・促進による「生きがいづくり」
 (自分で育てた農作物を食べたり、販売所で販売することで、生活に張り合いを感じる人が増えているとのこと)

も検討していくそうです。

白浜町民生課によると、最近数年の同町の医療費は、高齢化に伴って年間7,000万~1億円の割合で増加。

今回の貸し農園の支援事業を継続していくことで、町民の健康に対する自己管理意識を向上し、将来的に国保税や介護保険料の負担増抑制に繋げたい狙いがあるとのことです。


私は貸し農園ではなく、実家の土地で家庭菜園に取り組んでいますが、確かに自分で植えた種や苗から、野菜が日々育っていく姿に触れると、非常に刺激になると感じています。

(勿論、収穫した野菜を食べてみると、素人が育てたものでも、新鮮というだけで非常に美味しい)

その意味で、自治体が住民に貸し農園の利用を勧めていくことは、確かに住民の健康維持にもつながるのではないでしょうか。

(ただ、腰を痛めたりすることには、気をつける必要があるとは思いますが・・・)


※参考
・和歌山県白浜町公式ウェブサイト
 http://www.town.shirahama.wakayama.jp/